今年の秋に正式リリースされる予定のiPadOS 16は様々な機能が追加されます。
特にiPad ProやAirのM1チップ搭載モデル(2021年以降のモデル)で外部ディスプレイへの正式な出力が可能になるようです。(ステージマネージャ機能の一部)
最大6K画質で複数アプリの外部ディスプレイ出力が、これまでのミラーリングではなくフルサイズでの拡張表示が可能のようです。つまりデュアルディスプレイができるわけですね。
具体的な操作感などは触らないとわからないですが、M1チップでiPadOS 16のiPadはPC的な運用もしやすくなるというように言われています。
外部ディスプレイ完全対応でPC代わりになる?
ちょっといきなり否定的意見で申し訳ありませんが、今回の発表で感じたことを書き連ねていきます。
特にiPadOS 16とM1チップ搭載iPadによって可能になる、外部ディスプレイへの完全対応についてです。
この機能を待ちわびていた方も多いと思いますので、一意見として聞き流していただけると助かります。
iPadを外部ディスプレイに接続することについて
まず、個人的な主観なのでデータはないのですが、現状のiPadユーザーで外部ディスプレイで運用するパターンはかなり少ないと思っています。
これまでのiPadの外部出力はミラーリングしかできなかったのもありますが、そもそもタブレットという手軽な端末を大きなモニターで使う発想があまりない気がします。
私は一度4KディスプレイにiPad Pro(2018)をUSB-Cハブを使って接続しましたが、それ以来全くつなげようと思ったことは無いです。
ちなみに今回の外部出力に完全対応可能なモデルはM1チップが搭載されている一部のiPadのみなのも注意点です。
さらにiPadでは高度な動画編集や重いソフトを動かせないというハンデがあるので、これら重い作業を行うならMacBook+外部ディスプレイやiMacが良いのは間違いないでしょう。
PC代わりにM1 iPadを購入するのは待って
正直iPadの外部ディスプレイ出力にどれくらいのメリットがあるかは未知数で、それを扱える人がどれほどいるのかな?というのが個人的な感想です。
これらは実際に新OSがリリースされた今年の秋以降のレビューを待つのが良いでしょう。
実際に非常に使いやすくなっているならiPadは一層PC的に使える万能機になるかもしれませんが、メインPCの代わりになるかどうかまでは分かりません。
もしも現状でサブPC的にiPad Proなどを使われている方には、純粋に拡張機能が増えてたすかるという感覚になると思います。
しかし今から「iPadがPC同様になる機能だからMacやWindowsの代わりにM1 iPadを買っておこう」というのはちょっと待った方がいいと思います。
現在でもWindowsやMacでしか動作しないアプリケーションがまだ多く存在しているのは事実です。それらはマウスやキーボードが前提のUIになっている場合が多いです。
そして、今後そのようなアプリがiPadOS 16のおかげでiPadで完全対応していくかもしれないですが、期待しすぎるのは危険です。
MacOSとiPadOSの棲み分け
今後もiPad OSとMacOSが近づいていくようですが、それでもOSの違いは存在し続けるでしょう。
iPadOSはiPadの機能を生かすものとして進化し、MacOSはMacがより扱いやすくなるようにアップデートされてきました。
もちろん究極的には今後2つのOSが統合してしまう可能性も否定はできないですが、そうなると2in1のiPadが最強の端末になる気がします。
個人的な理想形はiPadでiPadOSとMacOS両方が動いてタッチ操作も出来つつ、ディスプレイをつなげればMacと同じ動きができること。
さらに外部アクセサリーもMacのように幅広く利用できること、などなどが挙げられます。WindowsではMicrosoftのSurfaceが近いのかなーという気がしますね。
Appleの戦略
このように、今後MacBookとiPadを融合させた商品が展開される可能性も否定できないけれど、まぁぼほ無いでしょう。
そんな商品が出ればMacとiPadで得ていた利益が半減することになりかねませんからね。
ただ、現時点でも外出先で重い作業をしたければサイズの大きいMacBookや、Windowsノートで十分だし、軽い作業ならiPadだけで事足りてしまうことも多いです。
とはいえ、現状ではMacBookとiPadの2台持ちを推しているように感じることもあります。
これはApple的には利益が大きいのでメリットだけれど、消費者からすればただ単に端末が増えているだけでコストがかかるだけです。
また、MacBookのサブディスプレイとしてiPadを使うなどの方法もありますが、MacBookもiPadも両方持ち歩く意味は感じず、家ならMacから外部ディスプレイに接続できます。
さらにiPad ProとMacBookで揃える場合は20万円以上するので、正直Appleの思う壺というような印象を受けてしまいます。
もちろん決してこの買い方を否定はしません。私も余裕があれば全部揃えたい気持ちはあります。
ただ一つ言えるのは、無印iPadとWindows PCなら10万円程度で揃うという事実です。
それでもできることは大きくは変わりませんし、アプリを使えばiPadをWindowsのサブディスプレイにしてしまうことも可能です。
iPadとMacの気になるところ
iPadの外部アクセサリーの対応が微妙
現状ではiPadは恐らく最強のタブレットであることはほぼ間違いないですし、MacBookは強力で魅力的なPCです。
これまではこれら二つを上手く使い分けてきた人も多いと思います。
これからはiPadがPCの役割を果たしていく、という方針なのかもしれないのですが、それなら普通のマウスへのしっかりした対応などもお願いしたいところです。
iPadでは普通のマウスに「戻る」「進む」を割り当てられないことなどはその一例と言えます。
これらの機能はApple純正のマウスやトラックパッドならできるけれど金額はとても高いです。結局は商売上手なAppleの考えが透けてきてしまうんですよね。
Windowsを見習ってくれ、という気持ちになってしまうのですが、これは長くWindowsをメインで使ってきた私の個人的な感想です。
この点でも新OSによってさらに改善されていくであろうことも予想されます。
Macの汎用性の低さが気になる
これはずっと昔から変わらない事実なのですが、WindowsとMacの普及率は大体9:1くらいの割合です。
現実にWindowsは使えるけれどMacの操作方法はよくわからない、というのは非常に多いパターンです。私も数年前まではそうでした。
MacBookを使える人が少ないおかげで、気軽にMacBookを貸すことができないということも生じます。
最近の話ですが、いきなりWindowsのPCが壊れてWeb会議に参加できなくて困っている友人にMacBookを貸してもどうにもならず、結局何もできませんでした。
余らせていたはずのWindowsノートがちょうど手元にない…という、ガジェットオタクではあってはならない(?)失敗でした。
でもiPhoneユーザーが多い日本はiPadなら使えることはとても多いので、MacOSが特殊なんだなと感じます。
MacBookは良いPCでMacOSもしっかりしているのは間違いないのですが、Windowsの汎用性や普及率の強力さを改めて感じます。
金額の高さも気になる
2020年に登場したM1チップのスペックの高さも、IntelやAMDのCPUがすぐに追いついてきているおかげでそれほどのメリットでもなくなってきました。
スペック的にはMacBookの半額程度で同じレベルのPCがWindowsなら手に入るという状況はそれほど変わりません。
やはりコストの低さと性能のバランスからコスパが良いPCはWindowsということになるでしょう。
ただし、MacBookのデザインやUI、さらにほかのApple製品との連携などはWindowsでは真似できないものです。
これらの付加的な要素やリセールバリューの高さ、質感の高さなどからMacBookを選ばれるのはもちろん良い選択だと思います。
とはいえ、Windowsの汎用性の高さや性能とコストのバランスの良さ、選択肢の多さなどはやはり大きなメリットです。
iPadについてもM1チップ搭載モデルでは無印iPadの2倍以上のコストがかかってきます。
今後さらにPC的な作業が快適になってくると思われますが、新OSによる映像出力のためだけにM1搭載のiPadを購入するのはまだ待った方が良いと思います。
結論として
2022年秋に公式にリリースされるiPadOS 16の機能拡大とM1チップ搭載のiPadについての個人的な考察でした。
いくつかの要点をまとめると以下のようになります。
- iPadOS 16でiPadがPC代わりになるかは不明確
- iPadは最強のタブレットであること
- コスパの良いPCはWindowsであること
ということで、2022年秋のiPadOS 16リリースによってiPadがよりPCライクになる確実ですが、メインPCとして活用できるかはまだハッキリしません。
サブPC的にiPadを活用するのが今のところ1番良いと思いますし、アプリの対応なども考慮すると、しばらくはその傾向は変わらないでしょう。
私は家ではデスクトップのWindows PCを使い、外出先ではエントリーグレードのiPadにBluetoothキーボードを繋げて利用することが多いです。
現在コスパだけを追求した場合にはWindows PC+無印iPadが最強というのが個人的な結論の一つです。
これだとPCの構成などにもよりますが、約10万円の予算で済ませられます。
場合によってはWindowsノートPCとスマホで十分なことも多々あるでしょう。
M1 iPadの可能性もある
ここまでiPadやMacについてネガティブな見解が多かったのですが、正直私はiPadでほとんどの作業ができるようになる未来も十分あると感じています。
それで、iPadOS 16のレビューを見つつ、M1 iPad Pro・Air+外部ディスプレイであらゆる作業を家でも外でも行うという選択肢も出てくることも期待しています。
M1 iPadを家ではキーボード+マウスやトラックパッドを使い、外出先ではCombo Touchなどと組み合わせて使うこともできます。
しかし、現時点でMicrosoft Officeのフル機能や、複雑な画像・動画編集は難しいことなどを考慮に入れる必要はあります。
もちろん金額的に問題ないのなら新型iPad Pro+新型MacBook+外部ディスプレイなどでも良いですし、それを否定しているわけではないので、どうぞよろしくお願いします。
そして、ここまでの全ては私の個人的な意見に過ぎないということを強調させてください。
でも正直、Windows
PCとスマホがあればとりあえず大体のことができますよね。