「Duet Display」はWindowsPC+iPadなら使いやすいアプリ【Yam Displayとも比較】
筆者はタブレットをセカンドディスプレイにするのが個人的な趣味になっていて、いろいろなアプリを試してきました。
そのなかでもノートPCの操作性を確実に上げてくれたアプリ「Duet Display」をしっかり紹介してゆきたいと思います。
Duet Displayの詳細
Duet Displayは元Appleのエンジニアが作成したアプリケーションです。
iPadなどのiOS端末とAndroid端末をPC用(WindowsでもMacでもOK)のサブディスプレイに変えてくれるなかなか優秀なアプリです。
特にiPadとの相性がいいです。元Appleエンジニアの作品だからでしょうか。
セールスポイント
Duet Displayの公式サイトからの情報をかいつまんで説明すると「遅延が少なく(ゼロと言っています)生産性を倍にする。そしてタッチ操作も可能」
このような利点を掲げているのがDuet Displayですね。生産性が倍というのは結構言いますね。また、有線でも無線でも接続可能というのもポイントです(無線接続は年額料金)。
インストール方法
Duet Displayはバリバリの有料アプリで、スマホ・タブレット側で購入する必要があります。
インストール方法は特に変わったことはなく、iPad側ではアプリを購入(約1,200円・Android版は約1,000円)してダウンロードするのみです。

PC側でもduetアプリをダウンロードします。こちらは無料でダウンロード可能です。
PC側のインストール画面ですが、MacかWindowsを選んでインストール。これはいつもと変わらない普通のダウンロードですね。 とりあえずダウンロード⇒インストールすればOK。
今回インストールしたのは有線接続のバージョンです。ちなみにDuet Displayを有線接続ではなく、無線での接続をしたい場合は「Duet Air」というサブスクリプション制の契約を行う必要があります。
この場合、年額約2,200円とちょっと悩む金額ですね。さらに上のグレードで「Duet Pro」というのも用意されており筆圧感知や色彩補正などが可能となります。
いわゆる液タブ(液晶ペンタブレット)として利用できるようになるというもので年額3,000円以上となってきます。
Duet Displayの使用手順
PC側での操作
PCのほうでDuet Displayを起動します。その前に有線(Lightningケーブル)を繋げます。実際、ケーブルを接続してからが良いのかはよくわかりません。どっちでも大丈夫そうですね。
タブレット側での操作
PCでアプリを立ち上げた状態でケーブルを繋ぎ、iPadのほうでアプリを立ち上げると、パソコンに接続すると出てすぐに「Duetを起動」してくれます。
ちなみに上に並んでいるアイコンの【 i 】(pro)となっているところを押すと「Duet Air」や「Duet Pro」の購入画面に進めます。
このあと初回のみ、iPadのパスコードを要求されますので入力します。(要求されない場合もあります)

これだけでスムーズに接続完了してしっかりとサブディスプレイ化できます。PC側にiTunesが入っていないと接続できないというようなパターンもあるようです。
私のPCでは、もともとiTunesを入れていたので何も問題なく起動しました。
設定画面について
この時、同時にPC側に設定画面が出てきます。設定画面はPCの「duet」アイコンで呼び出すことができます。
PC側でいくつか調整できる項目もあります。すべてiPadminiでの項目です。
- フレームレート(30・60 FPS)
- パフォーマンス(ハイパワー・省エネ・Pixel Perfect)
- 解像度(iPadでは1024×768~2048×1536まで調整可能)
Duet側とPCのディスプレイ設定
この設定はPCと組み合わせるタブレットで異なると思いますのでいろいろ試してみて、しっくりくるところを探す感じです。
個人的には、解像度を上げ過ぎるとポインタの動きが悪くなる傾向が強いので、ほどほどの解像度にしてWindows側でサイズを縮小していくのが良いと思います。
一例として、iPad miniでDuetの設定で解像度を「1024×768」に、PC側でのディスプレイの拡大と縮小で「100%」に設定すると画質は荒くなりますが、全体の動きが良くなりました。
画面サイズの大きいタブレットも、解像度を低いところから徐々に上げていき、ちょうど良いところを探る感じになります。
「フレームレート」や「パフォーマンス」は正直体感的にはよくわからず、私は30FPSのハイパワーで稼働させています。
Duet Displayの使用感
WindowsとiPadでの接続は相性が良い
筆者が今回使用したPCは11.6インチのWindowsPC(YOGA710)とiPad mini4です。すでにどちらも購入から4~5年経過していますが、しっかりと使えております。
Duet DisplayをWindowsPC+iPadで使う場合、とても相性が良いアプリであるのは確実です。
また、公式サイトでも推していた「ゼロラグ」というのは確かで、有線での接続なので設定にもよりますが、遅延はかなり少ないです。同時にiPadの方の充電も可能です。
MacBookとiPadも当然いい動きをしてくれる
MacBook Pro(2015)と第6世代iPadでつなげてみても、やはりいい具合に動いてくれました。
後述するAppleの純正アプリ「Sidecar」が使えない機種でも、Duet Displayはバッチリ動いてくれます。
さらに、Sidecarでは縦表示ができませんが、Duet Displayでは横でも縦でも対応してくれるので利用する幅が広がります。
アプリの立ち上がりも速い
初回での接続ができてしまえば、次からはLightningケーブルをつなげてPC側でアプリを立ち上げた状態にしておき、そのあとiPad側でアプリを立ち上げれば即接続されます。
ちなみに、アプリを立ち上げる順番などはあまり関係がないようでPC側からでもiPadからでも問題ありません。
PCがスリープモードに入るなどして接続が途切れた場合はどちらもいったんアプリを終了してから再度立ち上げると起動します。
使用するケーブルに注意
Duet Displayを有線で使っている際に、使用するケーブルによって全く接続できなくなることがありました。
使用するライトニングケーブルはMFi認証(Apple公式認定品)済みのものを選ぶのが安全です。MFi認証済みと書いてあってもそうでない代物も時々あるので、あまりにも値段の安いものは使わない方が無難です。
Apple純正品を使うか、Ankerなどの有名メーカーのケーブルを使うようにしましょう。
Android版の有線接続に難あり
Duet DisplayにはAndroid版も用意されています。ただ、Android版ではWindowsPCとの有線接続ができない事例などが報告されています。(無線接続のみ可能という情報もあり)
せっかく1,000円出して無駄になる可能性があるというのはあまりおすすめできないです。
Androidタブレットを使う場合は他のアプリを選ぶのが無難でしょう。
他のサブディスプレイ化アプリ
WindowsにAndroidなら「spacedesk」
Androidタブレットを使用される場合「spacedesk」アプリが無料でかなり良い感じに動くのでこちらをぜひ試してみてください。
ちなみに「spacedesk」は母体がWindowsならつなげる端末は、WindowsでもiOS、Android、ChromeOS、FireOSのどれでもOKです。
無料ですし、WindowsPCとAndroidタブレット、もしくはiPadをお持ちなら、とりあえず試されるのをおすすめします。私も個人的に好きなアプリです。
新しいMacにiPadを接続するなら「Sidecar」
WindowsPCに対してiPadを接続するなら「Duet Display」はかなり良い選択肢になると思われますが、PCがMacだった場合は「Sidecar」を使うことで不要になるかもしれません。
「Sidecar」はかなり優秀なアプリで無線でも有線でも接続可能です。
iPadの方ではApplePencilによって液タブ代わりの機能を再現できるという優れもの。Appleの標準機能ということなので性能は高いはずですよね。しかも無料…
Sidecarの対応機種はちょっと厳しめ
ただし、Sidecarに対応している端末が結構限られているので注意です。
親機となるMacBookの方は以下の機種が対応です。
- MacBook Pro(2016年モデル以降)
- MacBook(2016年モデル以降)
- MacBook Air(2018年モデル以降)
- iMac(2017年モデル以降またはRetina 5K,27inch,Late2015)
- iMac Pro
- Mac mini(2018年モデル以降)
- Mac Pro(2019年モデル)
サブディスプレイ側のiPadは以下の機種です。
- iPad Pro (全モデル)
- iPad(第6世代以降)
- iPad mini(第5世代以降)
- iPad Air(第3世代以降)
さらにMacのOSは「macOS 10.15 Catalina」以上。iPadの方は「iPadOS 13」以上である必要があります。さらに詳しくはAppleの公式ヘルプページをご覧ください。
このようにSidecarは最近のモデルしか対応しておらず、しかもCPU性能もなかなか要求するようで、2016年モデルのMacBook などでは快適に動かないということもあるようです。
このように、古めのMac(私のMacBook Pro2015も非対応)やiPadをお持ちの場合にもDuet Displayの出番となります。
古いMacbookとiPadの接続なら「Yam Display」も良い
Yam DisplayはMac専用のサブディスプレイ化アプリで、無料版と有料版があります。
無料版では数分ごとに「良かったら有料版を買ってね」的なウィンドウが出てきますが、試しに使う分にはちょうどよいです。
わたしは検証のために有料版を購入してみました。有線接続バージョンがYam Display(約1,000円)で、無線接続バーションがYam air(約500円)です。
セットになっているYam Display Pack(約1,200円)がお得なのでこちらを購入。2015年製のMacBook ProとiPad第6世代を接続してみました。
結果としては、有線接続でも無線接続でも遅延は少なく、Yam Displayもなかなか使いやすいアプリです。値段的にもDuet Displayよりお得感があります。
無線接続ならYam Displayがお得
Wi-Fiでの無線接続が可能な「Duet Air」が年額2,200円のサブスクリプションなのに対してYam airは約500円(Yam Displayとセットなら約1,200円)の買い切りなのが嬉しいです。
もちろん有線接続のほうが安定性は高いですが、無線接続のYam airも必要十分な応答速度と安定性を見せてくれます。
Windowsには非対応なのでどうしようもないですが、古めのMacbookを使われているならYam Display Packはなかなかおすすめのアプリです。
結論
WindowsPCにiPadを有線で接続するなら「Duet Display」はなかなかおすすめできるアプリです。
もしも、手元にiPadがあるけれどアプリに1,200円も投資する価値があるか不明な場合は、無料の「spacedesk」アプリを試されるのもいいと思います。
ノートPCにサブディスプレイを追加することによる作業効率の向上が体感できると思います。そのあとで反応の良い有線接続をしたいならDuet Displayの購入を考えてもいいでしょう。
さらに、WindowsPCに繋げるタブレットがAndroidである場合にも、無料アプリの「spacedesk」がおすすめです。
また、お手持ちのPCが新しめのMacでタブレットはiPadという場合では「Sidecar」アプリを、古めのMacなら「Yam Display」も良い選択肢になります。
何度か登場した、無料で各種タブレットを無線接続にてWindowsPCのサブディスプレイ化するアプリ「spacedesk」と「Duet Display」の比較も行ってみました。