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Thermalright AK120(Assassin King 120 SE)の実機レビュー【AK400とも比較】

Thermalright Assassin King 120 SE

Thermalright Assassin King 120 SE(AK120SE)は、高さ148mmと比較的小型ながらヒートパイプが5本あるサイドフロー式の空冷CPUクーラー。

価格は2,000円台半ばでAmazonで購入しました。比較したDeepCool AK400は3,000円台前半なのでかなり安いですね。

Assassin King 120 SE(AK120SE)の詳細

Assassin King 120SEの外箱
  • 対応ソケット:AMD AM4/5・Intel LGA 1700/1150/1151/1200
  • TDP:公称235W(ダイレクトタッチ式 ヒートパイプ 5本)
  • サイズ:幅120 x 厚さ73 x 高さ148(mm)
  • 重量:640g
  • ファン:12cm 最大1550rpm PWM制御4ピン

同じThremalrightからAssassin X 120 SEという4本ヒートパイプの製品もあります。価格はほとんど変わりません。

また、ファンがARGB対応のものが付属したバージョンも選べます。(ファン性能に差はないようです)

いくつかの海外のレビューではAssassin King 120の方がAssassin X120よりもちょっと性能が上だとあったのでAssassin Kingの方を選んだのですが…

一番気になった製品精度の低さ

ヒートパイプの加工精度が低い

製品の加工精度はかなり微妙です。ヒートパイプ部分の処理が甘くて結構段差があり、私の個体でもコンマ数ミリの段差になっていました。

気になりましたが、なんとかグリスの塗布でカバーできる範囲と考えて利用することにしました。

直接CPUと接する重要な部分の精度が悪いというのは、Thremalright製品への信頼感が失われてしまいます。

ほかの方のレビューではもっとガタついてるパターンもあるようなので、あまり酷い場合は返品することをおすすめします。

※正直この精度の悪さから、この製品はおすすめしにくいですね。

良かったポイント

他の外観的な部分はそれなりにしっかりできていて、天板の艶消しブラックはなかなかスタイリッシュです。

天板部分の造形

取り付けもそれほど難しくはなく、他のサイドフロー型の製品と同程度の取り付け難易度だと感じました。樹脂製のバックプレートには両面テープもあったりと親切設計。

付属品

取り付け用の付属品

付属品は樹脂製バックプレートと、Intel(LGA1700まで対応)AMD(AM4と5に対応)したスペーサーと固定金具。

クリップは1組しか入っていないのでデュアルファンには手軽にすることができません。TF-4というグリスが入っているのは親切です。

付属のCPUファン

付属しているファン

付属しているファン(TL-C12C)はグレーの色合いがなんとも言えない、シンプルなものです。

かなり低回転(400rpm程度)から最大1700rpm(公称1550rpm)まで回りました(これも個体差が大きそう)。

空冷定番のDeepCool AK400と比較

Assassin King 120 SEとAK400

検証のためだけにAK400も一緒に注文してしまったので、冷却性能などを比べてみます。

AK400に使われているファンとほぼ同形状のちょっと上位のファンであるFK120も購入し、付け替えて比べてみました。

検証環境

  • CPU:Intel Core i3-8100(TDP 62W)
  • メモリ:DDR4-2666
  • ストレージ:M.2 SSD(シリコンパワー製)
  • グラフィックボード:GTX 1060 6GB
  • 電源:Antec 550W ブロンズ

ZALMANのケースファン無し、パネルは全て閉じた状態で計測。温度は「HWmonitor」を使って最高温度を記録します。

騒音計は使用せず、感覚的に表現しています。音量以外にも音質的なものも気になるかどうか変わってくると感じるためです。

AK400との冷却性能比較

CINEBENCH R23 10分間の温度と騒音チェックを行いました。(室温26℃ 湿度60%)

FK120はDeepCoolのAK400用ファンの上位互換品で、同一ファンにしての計測として付け替えて計測しました。

サイレントモード 最大回転
Assassin King 120 SE 63℃ 57℃(約1700rpm)
Assassin King+FK120 62℃ 54℃(約1850rpm)
AK400 60℃ 52℃(約1850rpm)
AK400+FK120 60℃ 52℃(約1850rpm)
※虎徹 Mark 2 60℃ 52℃(約2000rpm)
※虎徹 Mark 2+FK120 60℃ 54℃(約1850rpm)

※虎徹 Mark 2(ファン交換品)は参考程度で載せています。

Assassin King 120もAK400もどちらもサイレントモードではほとんどファンの音は気にならず、非常に静音性は高いです。

最大回転時では音量も大きくなり、Assassin Kingのファンは低めな音で、AK400は少し甲高い音で鳴っていました。(音量は同程度)

AK400との温度差はサイレントモードでは2~3℃といったところですが、ファンの性能差がかなりあるようで、最大回転時の温度差は5℃もありました。

同一ファンでは最大温度は2℃の差となり、純粋なクーラーとしての性能は若干AK400が上です。

ファンを交換してしまえばかなり良いクーラーなのですが、+1,000円程度かかるので、コスパは微妙(AK400を買った方が普通に良い)。

基本性能は悪くなく、低発熱のCPU(TDP65Wくらい)に使うには十分(ファン回転を上げなくても冷やせる)と言えますね。

以下、計測時の詳細情報を載せています。

Thremalright Assassin King 120 SE

Assassin King 120 SEを取り付け

Assassin King純正ファンは最低回転500rpm前後では無音。低回転での騒音については非常に優秀です。

サイレントモードでのCINEBENCH R23 10分間では最大63℃、最大回転数600rpm程度で、ほとんど音は気にならないレベル。

最大1700rpmくらいまで回り、音的には「フォーーーッ」という低音気味な感じ。流石に音量的にも少しうるさいかな、と感じます。

常時最大回転でのCINEBENCH R23の最高温度は57℃。回転数の割に温度は5℃程度しか落ちないです。高回転にしても風量はあまり期待できない様子。

ファンをDeepCool FK120へ交換してみる。

AK120SEにFK120を取り付けた

FK120はファン性能が高いという情報から、ケースファン用に試しに買ってみていた製品。AK400に付くファンよりほんの少し性能が高くてデザインが少し違う。

同じくアイドリングで500rpm程度。サイレントモードで10分間回すと最高温度は62℃とあまり変化はない。回転数は600rpm程度でほぼ無音。

CINEBENCHで最大回転(1800rpm前後)だと最高温度は54℃にまで抑えられる。純正ファンの最大回転時より−3℃とよく冷えます。

騒音自体はFK120の方は少し甲高い音で1850rpm程度まで上がりました。高回転時のファンの性能差は明らかにあることが分かりますね。

DeepCool AK400

DeepCool AK400
最近ファンのロゴが変更されたAK400

新品で購入したDeepCool AK400に交換。デザインは好みの問題ですが、製品の加工精度は明らかにAK400が高いです。

アイドル時500rpm程度でほぼ無音。CINEBENCH R23、サイレントモード10分間、600rpm程度で最高温度は60℃。

最高回転数1800rpmだと、最高温度52℃まで下がりました。回転数で温度はかなり変化する様子。

ファンをFK120へ交換(AK400純正ファンよりほんの少し性能が高い)して再度チェック。

最低回転が550rpmくらいで(個体差と思われる)サイレントモードで回転数に少し差が出る。

そのまま10分間 約600rpmで動作し、最高温度は60℃。最大回転で52℃。AK400純正品とほぼ変わらない性能。

※AK400は最近のロットからマウンティングプレートの横幅が数ミリ短くなり(他パーツへの干渉対策)ファンのロゴマークが変更となっています。これらの変更が、実際の販売ページでは判別不能なのが困りますね。

※参考程度:サイズ 虎徹 Mark 2 WonderSnail Ver

虎徹 Mark 2を取り付け

元のファン「KAZE FLEX」は手元に無かったため、サイズ WonderSnail(2400rpm)に交換した状態での計測。試用期間も2年以上と多少やれてきている虎徹 Mk2。

サイレントモードで最大回転800rpm程度、騒音はほとんど無し。ただFK120より少し回転音は出ています。(私のマザーボードでこれ以上回転が下げられませんでした)

CINEBENCH R23 10分間、回転数は900rpm程度で最高温度は60℃。古いモデルですがやはり基本性能は高いです。

最大回転では約2000rpm、最高温度は52℃と冷える。(2400rpmモデルのはずがそこまでは回らなかった)

2000rpmでは、騒音はそれなりにあるけれど、他のファンとそれほど変わらないレベル。

ファンをFK120へ交換してCINEBENCH R23を10分間、サイレントモード。これで600回転程度でほぼ無音のまま最高温度は60℃。

最高回転1850rpmでは最高温度が54℃となった。WonderSnailでは52℃と若干の差が出ました。ファンの最適化なども絡むのだろうか?

まとめ

AK120SE

2,000円台で買えるThermalright Assassin King 120 SE(AK120SE)(Amazonリンク)はヒートシンク自体の性能は結構高いです。

同じファンでサイレントモード時の温度を比べてみると、AK400や虎徹Mark 2と2〜3℃ほどの差は出てきますが値段を考えれば上出来でしょう。

ただ、製品の加工精度が悪くてバラつきがあるようなので、手放しにおすすめはしにくい製品です。

Assassin King 120 SEと、AK400の価格差は800~1000円程度ですが、確実にAK400の品質が高くて安心しておすすめできますね。

DeepCool AK400は人気が高くAmazonなどで品切れの場合、TUKUMOさんなどで探すのも手ですね。

DeepCool AK400(TUKUMO)

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