ソリダイム Solidigm(Intel) SSD 670p シリーズ 1TBモデル レビュー
ソリダイム(Intel)SSD 670p 1TB版をメインPC用に購入してみたのでレビューします。
ソリダイム(インテル)SSD 670pは、最新の144層のQLC NANDフラッシュメモリを搭載したPCIe 3.0対応のSSDです。
カタログには…フラッシュメモリ自体の性能、コントローラー、ファームウェアのチューニングなど「リアルワールドにフォーカスして最適化」しているとのこと。
ソリダイム Solidigm(Intel)SSD 670p の詳細
カタログスペック(1TBモデル)
- フォームファクター:M.2 2280
- NANDメモリー:144層3D QLC NAND
-
読込み速度
シーケンシャルリード:最大 3500MB/sec
ランダムリード:最大 220000IOPS -
書込み速度
シーケンシャルライト:最大 2500MB/sec
ランダムライト:最大 330000IOPS - TBW(Total Bytes Written):370TBW(1TBモデル )
- 保証期間:5年
その他
- コントローラー:Silicon Motion「SM2265G」
- DRAM:256MB DDR3Lキャッシュ
- SLCキャッシュ
- 高速SLCキャッシュ 総容量の1%=1TBモデルで12GB
- 可変SLCキャッシュ 総容量の14%=1GBモデルで140GB
外観
Intel 670pの外観はシンプルで、片面実装で放熱性のあるラベルが貼られています。基盤が昔ながらの緑色で懐かしさを感じます。
背面にはintelのロゴがしっかり入っていますね。
ソリダイムとは?
Solidigm(ソリダイム)は、2021年12月に設立された新しいSSDベンダー企業。 なんですが「Intel」のSSD部門が元であり、韓国の「SK Hynix」が資本を出して引き継いだ経緯があります。
QLCについて
QLC(クアッドレベルセル、4-bit MLC NAND)とは、1個のメモリセルに4ビットを記憶する方式のSSDです。TLCに比べて記憶密度は高いが、耐久性や精度が劣ると言われます。
読み出しの速度は速いですが、書き込み速度は落ちるのがQLCの特徴ですが、SSD 670pはPCIe 3.0対応SSDとしてはトップクラスの性能を引き出しています。
DRAMキャッシュ
低価格帯ではDRAMキャッシュレスが増えている中、少ないとはいえ256MBのDDR3Lキャッシュが搭載されているようです。
DRAMキャッシュは頻繁にアクセスされるデータを一時的に保存する役割を果たします。これにより、データの読み書き速度を向上させます。
NVMe と PCIe
NVMe(Non-Volatile Memory Express)接続は従来のSATA接続よりも最速では10倍以上も高速なデータ転送が可能です。
PCIe 3.0と4.0の違いも存在し、基本的にはPCIe 4.0接続が速いと言われますが、体感するのは結構難しいです。(本製品はPCIe 3.0接続)
さらに、PCIe4.0接続で高速なSSDは、発熱が多いなどのデメリットも存在しています。最近ではPCIe 4.0接続が一般化し、PCIe 5.0すら現れようとしています。
ソリダイム (Intel)670pの使用感
PCに取り付けてみます。M.2 スロットに差し込んで、私のマザーボードの場合は純正のヒートシンクがあって取り付けました。
転送速度
定番ベンチマーク(Crystal Disk Mark)を軽く回してみると、シーケンシャルのRead(読み込み)速度はあんまり伸びませんが、Write(書き込み)速度は公表値を超えています。
ランダムの読み書き速度については十分な速さで、実用性能重視という堅実さがIntel製らしさですね。
Crystal Disk Markでは大容量のファイルを扱うわけではないので、この点は別の方法でテストする必要があります。
大容量ファイルの書き込み速度
Intel 670pは小さいサイズのファイル転送や通常用途での速度は十分ですが、大きなファイルを扱うとSLCキャッシュを使い切り、速度が低下します。
Intel 670pのSLCキャッシュは固定サイズと変動サイズの2種類があり、それらのキャッシュが切れると速度が低下します。(SSDの使用量によっても異なる)
■キャッシュサイズ:約140GB(1TBモデル)
合計キャッシュサイズは1TBモデルで約140GB(2TBモデルは約280GB)あり、その程度の容量なら高速な転送速度を維持します。
しかし、それ以上のサイズとなると初めは2000MB/s程度の速度で動作しますが、キャッシュを使い切ると平均300MB/s程度まで速度低下します。
ただ、格安の無名SSDの場合ではキャッシュ切れ後の速度が100MB/sを下回ることもあるので、低速でも300MB/s出ていればコストの割には良いほうです。
他の同価格帯SSDについて
670pの性能としては「ソリダイム P41 Plus」と近く、価格差がないなら若干性能の良いP41 Plusを選んでもいいです。こちらは完全にソリダイムブランドとなりました。
少しだけ価格の高い「キオクシア KIOXIA EXCERIA PLUS G3」だと、さらに若干性能が上がります。(※PCIe 4.0・TLC NAND)
この辺りはコストと性能のバランスで選ぶ感じになると思います。
温度が低め
動作時の温度はかなり低めで安定しています。
アイドルでは30℃以下、最大でも50℃ほどにしか上がらず、マザーボード付属のヒートシンクさえも不要なレベルでした。
PCIe 4.0対応の高速モデルではヒートシンク必須であったり、サーマルスロットリングが発生して速度低下する場合もありますが、670pではその心配はなさそうです。
まとめ
ソリダイム 670pのメリットはPCIe 3.0対応NVMe SSDとして低発熱で扱いやすく、コストパフォーマンスが高い点です。
一般的なファイルには快適ですが、大容量ファイルを頻繁に扱うならほかの選択肢がいろいろあります。
また、QLCなので高耐久というわけではないですが、必要十分な耐久性と実用上の速度を実現しています。
価格と性能のバランスが良く、タイミングを見計らって購入すれば下手な無名SSDを買うよりもよっぽど安定した性能を得られます。
購入先について
Amazonで調べると2024年2月時点では2種類の販売経路がありようです。もちろんドスパラで直接購入も可能です。
ドスパラなどから「ソリダイム 670p」として出されている場合が価格的に安い場合が多いですね。ドスパラが販売出荷までしているパターンが多い印象です。
「Intel 670p 1TB」の販売元はAmazonではないこともあり、個人的には「ソリダイム 670p」を低価格(8,000円前後)で購入するのがいいと感じます。
タイミング次第で適正な価格で出品されていない場合もあるので注意です。(1TBで15,000円を超えるなど)
■ドスパラなどで売られてるソリダイム 670p
■Intel 670pとして売られている 1TBモデル
※Amazon以外のリンク先は流動的です