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Maono PS22 Lite実機検証比較レビュー【10,000円で買える高音質なオーディオインターフェース】

Maono PS22 Lite

今回、Maonoのオーディオインターフェース「PS22 Lite」のレビューとなります。

Maonoさんからの提供品なのですが、レビュー依頼があったわけではない特殊なパターンです。とはいえいつも通り、個人的に検証して感じたことを書き連ねていきます。

PS22 Liteは、約1万円という低価格ながら「24-bit/192kHz」の高音質録音や専用ソフトによるルーティングに対応している点が特徴のモデルです。

今回は、この価格帯のインターフェースが実際の配信や録音でどこまで使えるのかじっくり検証してみます。

外観とビルドクオリティ

PS22 Liteの外観正面

PS22 Liteを手に取ってまず感じるのは、その軽量かつコンパクトな筐体です。(約230g程度)

デスクに置いても場所を取らないサイズ感は、限られたスペースで配信環境を構築したい方にとってメリットでしょう。

ノブの操作感も価格相応にしっかりしており、全体は樹脂製ですが安っぽさは感じません。

接続時のLEDの光り方

右下ノブのLED(ダイナミックライトリング)は接続状態(青、緑、紫)を表しています。

左上ノブはクリッピング(ピンク、赤)を反映しており、直感的に音量管理がしやすい構造です。

ヘッドホン端子

ヘッドホン端子(3.5mmジャック)が右側面に配置されているのもポイントですね。

デスク上のケーブル回りがごちゃつかず、スマートに配線できて見た目と実用性を両立させたデザインになっていますね。

入出力端子と機能の詳細

入出力端子

入力端子については、Input 1に+48Vファンタム電源と最大56dBのゲインを備えたXLR/TRSコンボジャックを搭載しています。

ただし、ここで注意が必要なのは、1/4インチ端子はライン入力専用であるという点です。マイクを接続する場合は必ずXLRケーブルを使用しなければなりません。

Input 2はHi-Z専用となっており、ギターやベースを直接接続して録音することが可能です。

また、ボタン1つでPCを経由しない遅延ゼロのダイレクトモニタリングができるため、自分の声を聴きながらの録音も快適です。

音質とノイズパフォーマンス

音質面を検証していく

カタログスペック上の「24-bit/192kHz」という数字は非常に魅力的ですが、それを受けるアナログ回路はどうでしょうか?

PS22 Liteの入力換算雑音(EIN)は-110dBuです。プロ仕様の-127dBu〜-129dBuと比較するとノイズフロアは若干高めで、ゲインを最大付近にすると少々ホワイトノイズが発生します。

特にShure SM7Bのような低出力のダイナミックマイクを使う際は、マイクカプセルから10cm以内の距離で話すことが必須です。それでも音量が足りなければゲインブースターを買い足す必要もあるかもしれません。

ただそれは極端な例であり、基本的にMaonoやFIFINEのダイナミックマイクであれば問題なく駆動できるパワーを持っています。

専用ソフト Maono ProStudio

Pro Studioアプリ

Windows環境であれば、専用ソフト「Maono ProStudio Routing Center」を活用することで、2つのバーチャルチャンネルとループバック機能を駆使した高度な配信ミックスが可能になります。

チャンネル名 役割 入出力
MIC In Mic・Inst端子に接続した
音声の入力
入力 (1がMic入力
2がInst入力)
VC In アプリ(ゲーム・BGM等)
音を入力するチャンネル
入力 (PC・ゲーム音)
VC Out 配信用・通話用アプリ
へ送る音声チャンネル
出力 (DiscordやOBS
へ音声を送る)
Loopback PC内で流れる全音声
をまとめて送るチャンネル
出力 (OBSなどにまとめた
音を送る)
HP Out 自分のヘッドホン・イヤホン
へ送る音声チャンネル
出力 (いわゆる
ダイレクトモニタリング)

最初は扱いが難しいですが、左端が入力で下が出力となっています。Mic In 1/2は上下で分かれていてマイク入力だけだと両方に出力され、Inst入力を使うとステレオとして扱われます。

専用ソフトウェア:https://www.maono.com/products/prostudio

ASIOドライバーによる5ms未満の低遅延動作も、DAWでのリアルタイム演奏において大きな強みとなります。

    注意点

    macOSやiOS/Androidでは標準の2in/2out機器として動作しますが、Windows専用のソフトやASIOドライバーは使用できません。

    高度な配信ミックスを目的とするならWindows環境が前提となります。

    また、iPhone等に接続して使用する場合、電力不足を防ぐためにPD充電対応のUSBハブを介して給電するのが無難です。

    Maono PS22 Lite と Arturia MiniFuse 1の比較

    Maono PS22 LiteとArturia Minifuse 1

    これまで使っていたArturia Minifuse 1も1万円台で購入可能なエントリーモデルで、比較対象としました。

    ちなみにMinifuse 1はDTMなどを本格的に行う方に向けた設計になっていて、DAWソフトもバンドルされているのが特徴ですね。


    Maono PS22 Lite Arturia MiniFuse 1
    価格と基本仕様
    想定実売価格 約10,000円程度 約12,000円前後
    外形寸法 / 重量 約 160×132×51 mm
    重量 約 0.23 kg
    約 200×100×43 mm
    重量 約 0.43 kg
    接続端子・電源 USB-C
    (USBバスパワー駆動)
    USB-C
    (USB 2.0 バスパワー駆動
    USB Hubポート×1 搭載
    オーディオ性能(解像度・ノイズ)
    サンプリングレート 最大 24-bit / 192 kHz 最大 24-bit / 192 kHz
    ダイナミックレンジ 106 dB 110 dB
    プリアンプ最大ゲイン 最大 56 dB 最大 56 dB
    入力換算雑音 (EIN) -110 dBu -129 dBu
    入出力端子・物理インターフェース
    入力端子構成 Input 1: Combo XLR/
    TRSバランスジャック
    (マイク/ライン用)
    Input 2: 1/4インチ TS
     Hi-Z専用ジャック
    (エレキギター/ベース用)
    Input 1: Combo XLR/
    TRSバランスジャック
    (マイク/ライン/
    Hi-Z切り替え)
    ファンタム電源 +48V ファンタム電源対応 +48V ファンタム電源対応
    モニター出力
    (スピーカー用)
    バランス 1/4インチ
    TRSジャック (L/R)
    バランス 1/4インチ
    TRSジャック (L/R)
    ヘッドホン出力 側面配置 3.5 mm
    ステレオジャック
    前面配置 6.35 mm
    ステレオジャック
    配信機能・ソフトウェア
    ループバック
    (Loopback)機能
    対応(ProStudio
    ※Windows専用)
    対応(MiniFuse
    Control Center)
    付属ソフトウェア 専用ASIOドライバーProStudio
    Routing Center
    Ableton Live Lite,
    Analog Lab Intro,
    Arturia FX,
    Auto-Tune Unlimited
    (3ヶ月無料)など
    対応OS Windows, macOS, iOS,
    Android, ChromeOS
    Windows, macOS

    予算を抑えつつ音質を重視した製品を選ぶなら、PS22 Liteは間違いなく良い製品です。

    マイクと楽器の2入力が可能で、Windowsなら専用ソフトでルーティングもできて基本性能も十分に高いです。

    PS22 LiteとMinifuse 1の背面

    もし本格的なDTMを行うなら、ノイズ性能で勝り豊富な音楽制作ソフトが付属しているMinifuse 1もいい選択肢になります。

    とはいえ、実測での性能差はほとんどなく(厳密には多少あるものの)基本的な配信やレコーディングにも使える性能は十分にあります。

    以下、マニアックですがRMAAというソフトでの測定結果です。

    測定項目 PS22 Lite Minifuse 1
    周波数特性
    (40 Hz - 15 kHz)
    +0.03, -0.12 dB
    (Excellent)
    +0.02, -0.10 dB
    (Excellent)
    ノイズレベル
    (A-weighted)
    -99.1 dB
    (Excellent)
    -96.1 dB
    (Excellent)
    ダイナミックレンジ
    (A-weighted)
    99.2 dB
    (Excellent)
    96.0 dB
    (Excellent)
    全高調波歪率
     (THD)
    0.00163 %
    (Excellent)
    0.00092 %
    (Excellent)
    THD + ノイズ
    (A-weighted)
    -89.1 dB
    (Good)
    -88.3 dB
    (Good)
    相互変調歪率
    (IMD + Noise)
    0.015 %
    (Very good)
    0.00490 %
    (Excellent)

    S/N比・ダイナミックレンジはMaonoの方が若干優れており、フロアノイズが少し低い結果となっています。  

    歪み(THD・IMD):Arturia Minifuse 1 の方が高調波歪みや相互変調歪みが少なく、より歪みの少ないクリアな結果となっています。

    まとめ

    Maono PS22 Lite まとめ

    メリット

    • 約1万円という圧倒的なコストパフォーマンス
    • Windows環境でのループバック機能とルーティングの柔軟性
    • 視覚的に分かりやすいLEDインジケーターによる音量管理
    • コンパクトでデスクに馴染む筐体デザイン

    デメリット

    • プリアンプのノイズフロアが高級機に比べると高め
    • Input 1の1/4インチ端子がライン専用のため、マイク接続にはXLRケーブルが必須
    • ルーティングソフトがWindows限定のため、macOS等では機能が制限される

    Maono PS22 Liteは、低予算でループバック機能を使った配信を始めたいWindowsユーザーや、手軽にギター録音を楽しみたい初心者にとって、非常に魅力的なハイコスパモデルです。

    ダイナミックマイクを使用して極限までノイズを抑えたい方や、Mac環境で高度なルーティングを求める方には、少し物足りない部分があるかもしれません。

    とはいえ、実際の測定で音楽制作向けの製品とも肩を並べることも実証してくれており、安価ながら完成度の高い製品です。用途が明確なら非常に良い選択肢になるでしょう。

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