楽天が2020年4月8日よりこれまでのMVNOいわゆる格安SIM事業から、MNO(docomoやauに並ぶキャリア)に参入しました。その新プランが「Rakuten UN-LIMIT」です。わたしも勢いで申し込み、しばらく利用してみた具合を報告します。
楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT」とは
楽天モバイル Rakuten UN-LIMIT(アンリミット)の売りはなんといっても…
300万名対象の1年間無料キャンペーン!
そして、無料期間後のプランとしての特徴は料金設定です。
これだけです。非常にというかこれ以上なくシンプルですね。あとは「UN-LIMIT=無制限」という意味の通りの仕様です。
・データ使い放題
・国内通話かけ放題
・グローバル無料(海外との通話無料・一部制限)
・5G対応(2020年9月30日より)
すべてが無制限というのがUN-LIMIT(アンリミット)の由来でしょうね。
そして2020年11月4日「ZERO宣言」を発動。(UN-LIMIT V2.0)
1年間のプラン料金、5G、国内通話料「0円」に加えて
- 契約事務手数料
- SIM交換・再発行手数料
- MNP転出手数料
- 契約解除料
他のMVNOやキャリアの料金と比較
ここでちょっとほかのSIMとの比較を行ってみましょう。データ使い放題&通話無制限のプランとなると現状では格安SIMでは存在せず(データ使い放題というのが無い・500kbpsでの制限で無制限というのはありますが)
ドコモの5Gギガホでは(~100GB)通信費だけで7,480円、かけ放題(1,700円)を追加すると9,180円!!という金額になります(割引無しの金額です)
使い放題ではこのような値段になるのが通常ですし、そもそも容量無制限のSIMというのが実現不能という説もあるくらいです(WiMAXなども3日で10GBという縛りがあったりする)が、まさかの完全無制限で2,980円。しかも300万名まで一年無料となると…
楽天モバイルUN-LIMIT(アンリミット)のデメリット
楽天回線の通信可能範囲が狭い
最大の懸念点は、 無制限で使用できると謳う楽天の回線の範囲が非常に狭いということです。そして今後どれぐらい広がるかという点です。
現時点で楽天回線エリアに入るのは、ざっくり言えば関東圏では東京23区を中心として、神奈川県の川崎市や横浜市、埼玉県のさいたま市周辺、千葉県の東京寄りの一部。関西方面では名古屋、京都、大阪、神戸など。
楽天回線エリアでは使用できるエリアを市や区ごとに記載されていますが、その全域が楽天回線のエリアではないパターンもあるため、 さらに詳しくは「楽天回線サービスエリアマップ」を見る必要があります。
それら該当エリアでも使えるのかは、実際に行ってみないとわからないようです。また、徐々にですがエリアも拡大してきており、今後に期待しています。ちなみに私の住む静岡県の田舎では全くUN-LIMITではない状態です。
5Gに対応したが…
さらに2020年9月30日より「Rakuten UN-LIMIT V」となって5Gにも対応したわけですが、それこそ5Gのサービスエリアを見ていただければわかる通り局所的すぎる状況ですね。でも他社もそこまで広くカバーできているわけではないのでものすごく不満というわけではありませんが…
そもそも4G回線の整備が十分でない状態での5Gの導入。楽天の今後が心配になる感じですね。この状態で5G対応!UN-LIMIT 「V」!と大々的に宣伝できるのか…疑問です。
でも料金は据え置きなので、奇跡的に5Gの入るところにお住いの方にはメリットしかないですね。ちなみに10月の時点で5G対応端末は「Rakuten BIG」と「AQUOS R5G」の2機種のみであることもご了承ください。
首都圏や大都市近郊以外は通信量の制限がある
楽天回線の対応エリアの場合は、無制限の完全データ使い放題を行うことが可能です。しかし、それ以外の場所ではどうなるのでしょうか?
その場合は、auの回線での使用となります。月5GBの制限です。パートナー回線にてこの制限を超えると通信速度は1Mbpsまで落ちます。そうは言っても、筆者も月5GBで不満は無く、制限を超えても意外と使えるので満足しています。お住まいの地域がパートナー回線であっても十分おすすめできますね。
使える端末が限られる⇒(かなり改善)
楽天モバイルはもう格安SIM、MVNOではなく、docomoやauと肩を並べるキャリア、MNOとなったわけです。それにより端末の利用制限も生じました。
詳しくは楽天モバイル回線対応機種を確認いただければと思いますが、当初はすべてAndroid端末しかなく、iPhoneが入っていない!?
という状態だったのですが…ついに2020年7月になってiPhone使えるようになりました。
日本のiPhone使用率は全体の約5割という状況ですからね、iPhone使えないのはありえないよねー…と思っていたんですが、今は使えます。
対応している機種を見てみるとiPhone11やXS、XRなどが利用できるようです。SE2が無料通話出来ないのが謎ですが。詳しくは以下リンクを参照されてください。
「Rakuten Link」アプリがiOSにようやく対応したんですねー。最初からできてれば良かったのに。
ほかにも、いくつかの報告聞きますと、楽天モバイル対応の機種でなくてもそのまま利用できるパターンが多いようです(端末の種類によって変わるので自己責任という感じです)。
サポート体制が崩壊気味&バグ多し
それでも、店舗に直接行かずにオンラインで申し込まれる場合はそれなりの覚悟が必要となるかもしれません。私も経験した楽天モバイルの様々なトラブルに関しては次の記事にまとめてあります。
楽天モバイルUN-LIMITのメリット
デメリットを挙げてみましたがかなり改善されていますね。ここから楽天モバイルに自ら契約した私自身も感じたこのプランのメリットを挙げてみます。
通信速度はかなり速い(パートナーエリアでも十分)
正直、楽天回線は一切掴めていないので(田舎すぎ)そちらのほうは口コミを見ての判断なのですが、速度は十分にでていますし、変な縛り(1日3GB以上で制限など)というのは今のところ聞かないので楽天回線の通信環境はかなり良さそうです。
私のいるパートナーエリア(au回線)でもお昼時や夕方などの込み合う時間帯にもそれほど速度低下を感じることはなく、速い時は100Mbpsくらい出ています。
容量制限の5GBを使い切ると、その後1Mbpsに落ちますが、必要十分な速度です。この辺りの使い勝手は今まで使っていたLINEモバイルの10倍くらいは速い感じです(個人差有り)。
通話料とSMSがRakuten Linkアプリ使用で無制限
Rakuten Linkアプリの使用で通話がだれとでも無制限で通信費込み2,980円というのは正直安いです。楽天回線を使えなくても通信をそれほど気にされないならば、この通話無料というだけで十分に魅力を感じます。
すでに楽天モバイルに加入されており、端末がアップデートで使用可能であれば、通話を良く利用される場合このプランは確実に選択肢の一つとなるでしょう。
また、Rakuten Linkアプリを使うと通話だけでなく、SMSも完全に無料というのも珍しいです。SMS、電話を重視されているならかなりお得になるはずです。
先着300万名は1年無料&お得なキャンペーン
前述していますが先着300万人までの限定キャンペーンです。基本料金が1年間も無料になります。これは完全に楽天の作戦であるのは間違いありませんが、それにしても1年間で約36,000円分が無料というのは破格です。
わたしもこれらのキャンペーンに惹かれて申し込んでしまったわけですが、気になったのはまだ先着300万人以内に入っているのかどうかという点ですね。
ちなみに2020年6月末時点で100万人達成したらしく、まだしばらく大丈夫そうです。300万人以内かの確認方法も簡潔にまとめました。
誰でも5,000円分のポイント還元
「Rakuten UN-LIMIT V」申し込みと「Rakuten Link」アプリの使用で誰でも5,000ポイントをゲットできます。
SIMのみでも端末セットでもゲットできます。「ZERO宣言」のおかげで契約事務手数料・SIM交換再発行手数料・契約解除料までも無料なので、SIMのみの場合、転出する側の事務手数料分以上が恐らく帰ってきますね。
Webまたは店頭での申し込み+「Rakuten Link」アプリの使用(10秒以上の通話とメッセージの送信)が必要です。
端末セットで最大25,000ポイント還元
先ほどの誰でも5,000ポイント還元に加えて、スマホも同時購入でプラス20,000ポイント(機種によります)がゲットできます。
機種によってはタダ同然で手に入るものもあります。詳しくは楽天モバイル公式ホームページをご覧ください。
紹介キャンペーン
楽天モバイルは「紹介キャンペーン」もしています。
お知り合いなど楽天モバイルUN-LIMITに契約中の方がおられれば、MY楽天モバイルにある、楽天モバイルIDを教えてもらい、申し込み時の「お申し込み内容の確認」の時点で「楽天モバイルIDを入力」の欄に次のコードを入力でさらに2,000ポイントもらえます。 紹介した側は3,000ポイントです。
2020/6/5にそのような通達がありました。それ以降は紹介者、被紹介者どちらともキャンペーン適用されなくなる、ということだそうです。
これまで当サイトでも紹介IDを掲載していましたが、無効となる可能性が高いため消去いたしました。すでに使用された方がおられましたら大変申し訳ありません。
当サイトを含めたブログやTwitterなどのIDは適用外となる可能性が高いですので、ご家族や、お知り合いからの紹介が確実です。
「楽天ひかり」1年無料キャンペーン
2020年10月より終了日未定で「楽天ひかり1年無料キャンペーン(先着10万名)」が再開しています。楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT」との両方の契約が条件です。
楽天モバイル「UN-LIMIT」が先着300万名、1年間通信・電話料金無料にプラスで「楽天ひかり」固定回線の方も通信費を1年間無料のキャンペーンです。
ただし、もちろんかかる費用も当然あります。初期費用、オプション費用(オプション加入は任意)は別途となっています。
初期費用
初期費用には初期登録費と標準工事費の合計がかかります。
・完全新規の場合
初期登録費800円+工事費(2,200円~19,800円:集合住宅か戸建かなどにより変化、支払いは分割のみ。詳しくはこちら)・他社光コラボ、フレッツ光からの乗り換えの場合
初期登録費1,800円のみこのように、他社の光コラボ(auひかり、NURO光等以外)やフレッツ光からの乗り換えの場合は初期費用も1,800円しかかからず、通信費は1年無料ですので驚くほどの安さです。ただし、現在NTTのフレッツ光回線でプロバイダに「楽天ブロードバンド」を利用中の方の転用は特典対象外となっています。
契約期間
契約期間: 3年間(36ヶ月)で自動更新、36ヶ月後の1ヶ月間のみが契約解除料なし(契約解除料は9,500円)3年契約というのは光回線では平均的ではあります。
1年後の料金(通常の料金): 戸建4,800円、集合住宅3,800円。この料金設定も平均的な光回線の料金です。
利用可能エリア
NTTからフレッツ光回線を借りて「楽天ブロードバンド」というプロバイダーでの通信を行っているため、NTTのフレッツ光が利用可能なら「楽天ひかり」も問題なく使用可能ということになります。
ルーターは別売
今回のキャンペーンではルータープレゼントということは無いようで、自分で用意する必要があります。
IPv6(クロスパス)対応ルーターを選ぶことで高速な通信速度を維持できます。楽天ひかり公式で接続するだけでIPv6接続が可能なルーターを案内してくれています。
楽天モバイルUN-LIMITと楽天ひかりセットで本当にお得なの?
この楽天モバイルUN-LIMITと楽天ひかりの同時申し込みによって通信費を1年間ほぼタダ、言い換えれば、電話とインターネットが「1年間無料」言い換えればの1年分の料金80,000~100,000円(それぞれ1契約づつ)を自動的にキャッシュバックしてくれるという意味になります。
現在使わている携帯会社からの全移行を行おうとした場合は、携帯と光回線の違約金などがどれほどかかるかも考える必要があります。ソフトバンク光のような違約金保証のシステムは無いので、乗り換えのタイミングが良いかどうか見極めましょう。
楽天モバイルアンリミットの今後
ここまで楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」というプランについてデメリット、メリットを見てきました。楽天モバイルの回線範囲はまだ狭く「アンリミット」というには到底及ばない状況ですが、まだまだこれからその範囲も広がってゆきますし、通話無料というのはかなりの強みです。iPhoneも対応し、今後さらに楽しみです。
キャンペーンもやたらと行うので、それらを利用すると信じられないくらい安くスマホを持つことが可能です。とはいえなかなかにトラブルが絶えない楽天モバイルですので、手放しにみなさんにおすすめできるかというと、少々不安もあります。
とくにサポート体制がほぼ機能していない状況が続いているので、自力での解決が可能な方でないとオンラインでの申し込みはちょっとハイリスクです。