Intel N100 CPU搭載CHUWI GemiBook XProをレビュー【友人の実機】
気になった製品「CHUWI GemiBook Xpro」を実際に購入した友人に触らせてもらい、レビューをしてみました。
というか、私が購入を勧めてちょうどAmazonセールで安かったのでタイミングよく買ってくれたのです。
新品のWindowsノートPCが3万円台で使い物になるのか?という疑念はありましたが、普通に事務用途ではばっちりでしたね。
掲載している写真は私の職場にて、すきま時間で撮影させてもらったので、ちょっとカラフルな背景が映り込んでいますがご了承ください。
CHUWI GemiBook Xproの特徴
CHUWI GemiBook Xproのざっくりとした特徴は以下の通り
- 新型CPU Intel N100の性能が想像以上に強い
- Intel N100、メモリ8GB、SSD256GBで3万円台=超コスパ
- フルHD IPS液晶ディスプレイやカメラ、マイクも十分実用レベル
- 注意点はUSキーボード、USB-C充電は不可、重量は1.4kgある点
付属品
付属するのは簡単な取扱説明書と、専用のACアダプターのみとなっています。
専用のACアダプターは24W出力で、100g程度と小型です。USB-Cでの充電に対応していれば文句なしでした。
CPU Intel N100の性能
CHUWI GemiBook Xproに搭載のCPUが新世代「N100」。CeleronでもPentiumでもないIntel第12世代で新登場のCPUです。
Intel N100は4コア4スレッド 最大3.4GHzという、もはや以前のローエンドCPUの構成ではなくなっています。今後はこれがスタンダードになる模様。
ベンチマークテストの結果から見ると、第8世代のノート用Core i5と同等くらいの性能が出ている様子。デスクトップでは第4世代Core i5レベル。
実際にサクッと取らせてもらったベンチマークテスト結果。
- CINEBENCH R23 シングル:約850
- CINEBENCH R23 マルチ:約2800
正直これだけのスペックがあれば基本的な動作には困らないです。消費電力は低くて10~25W程度。
私も現在ThinkPad X280(2018年式Intel Core i5 8250U搭載)を使っていて、だいたい同じくらいのスペックです。
ThinkPad X280は中古で結構劣化していましたが、3万円以上しました。(発売当時の新品価格は約12万円)それと近いスペックで新品3万円台は安いです。
日常使いやOfficeの利用、Zoomなどでの会議をしながらのマルチタスクもOKです。事務用途には必要十分といったところ。
ただし、GPU性能はCPU内臓のUHD Graphicsであり、そこまで高い性能ではないのでゲームには向きません。
メモリは8GB(LPDDR5-4800)ストレージSSDは256GB(SATA接続)とライトな使い方なら十分な容量でしょう。
筐体デザインなど
本体サイズは323.4×219.9×19.9(mm)本体重量も1.4kgほど。A4より少し大きいくらいのサイズ感。
PCのデザイン自体は結構かっこいいです。エッジが効いていてスタイリッシュ。超薄型というほどでもないですが、2cm以内に収めてくれています。
天板はアルミかと思いましたが、おそらく樹脂製です。ただ全体の塗装が非常に質感が高くてチープさは感じません。
天板の「CHUWI」のロゴも見る角度でほとんど目立たないので良い感じです。
背面に吸気口のスリットが入っていて、ここもオシャレ。PC後方からの排気となります。ちないに高負荷時でもファンの音はそこまで気になりません。
ちょうど私の使っているThinkPad X280(12.5インチ)と並べると、一回り大きいです。
ただ、ディスプレイサイズはGemiBook Xproが14.1インチでサイズはそこまで変わらず。
しかも年式は劣るとはいえThinkPadは当時のCore i5、定価は10万円を超えていたThinkPadのCPU性能と3万円台のGemiBook Xproが同程度とは…
ディスプレイについて
GemiBook Xproは、14.1インチのフルHD(1920×1080 16:9)のIPSディスプレイを搭載。
視野角も十分に広くて見やすいノングレア液晶。正確な色域はわからないのですが、発色は良い方だと感じます。明るさも室内では十分。
ベゼルも左右はかなり狭くて今時の見た目ですが、ちょっと厚み(ディスプレイより数ミリ分厚い)は感じます。
キーボードの打ちやすさ
気になるのがキーボードの配列で、US配列のみで日本語配列が選べません。これがネックになる場合も多いかと思います。
キー自体はアイソレーションタイプで、高級感は無いですがかな印字がないのでスタイリッシュな雰囲気。(※かな打ちをされる方にはおすすめできないです)
初心者の場合、日本語⇔英語切り替えがそもそもどうやるの?から始まるパターンが多いです。「Alt+`(左上ESCキーの下のキー)」で切り替えられます。
ただ、文字打ちを多くする場合には面倒なので、個人的には「CapsLockキー」を日本語⇔英語切り替え用に使います。
CapsLockを「日本語⇔英語切り替え」に割り当てる方法
PowerToys(Microsoft Storeからダウンロード)をインストールします。
PowerToysが開けたら「Keyboard Manager」→「キーの再マップ」でキーを変更します。
直接入力で「CapsLock」を選択。マップ先に「IME Kanji」を入力します。
これでUSキーボードだけを利用する場合に、CapsLockキーで日本語⇔英語入力切り替えができます。
さらに別の方法でAltキー左右で切り替えるソフトを作ってくださった方もいます。(https://www.karakaram.com/alt-ime-on-off/)
タッチパッドについて
搭載されるタッチパッドは結構面積も広くて反応も上々です。2、3本指のジェスチャーにも標準対応しています。
左右クリックはちょっと固めなので、タップでクリック・ダブルクリックをするのがいいですね。
バッテリー持ち
バッテリーは他のレビューでは38,000mWh程度とちょっと少な目、だけどCPUは省消費電力なので十分という印象。
実際のバッテリー持ちは比較的良さそうです。(通常使用で5~6時間は持つ様子)
ただ、USB-Cでの給電・充電ができないのがちょっと残念。USB-PD充電できても良さそうですが、予算的にカットされた機能なのかな?
専用のACアダプターでの充電となるので、持ち物が増えてしまう場合がありますね。
ただ、ACアダプターはそんなに大きくなくて100g程度で持ち運ぶのも苦にはならないレベル。24Wなので急速充電というわけではないです。
カメラ・マイク・スピーカー・通信関係など
搭載されるWebカメラはスライド式のプライバシーシャッター付きでした。
1280×720ドットの写真撮影と720p、30fpsの動画撮影まで可能です。発色はハッキリしていて画角は結構広め。
マイク性能も必要十分で、Web会議程度なら内臓カメラとマイクで十分でしょう。
スピーカー品質も、音量は控えめで音質は最高に良いわけではないものの、やはり必要十分という印象。
通信関係はWi-Fi6とBluetooth 5.2という新しい規格に対応してくれるおかげで、通信安定性も十分です。
インターフェース
USB-C(恐らく3.0でデータ転送のみ・PD非対応)、USB-A(恐らく3.0)HDMI(4K対応)、ヘッドフォン・マイク端子が左側面にあります。
右側にはケンジントンロックのみ。こちらにもUSB端子があったら便利だったかなと感じますが、コストカットのため致し方ない部分でしょう。
以上のように、入出力ポートは必要最低限ですが、フルサイズのHDMI端子とUSB端子がついているのはやはり便利ですね。
まとめ
良かったポイント
- CPU性能やディスプレイ、筐体の質感などを考えると3万円台は破格
- 普段使いで持ち歩くにもOKなサイズと重さ
- ストレージ容量なども必要十分でスタンダードに扱いやすい
気になるポイント
- キーボードがUS配列しか無いこと。JIS(日本語)配列で慣れている方にはちょっとおすすめしづらい
- USB-C充電ができず、専用の充電器が必要
- 1.4kgという重量は軽いとは言えない
基本的なところを抑えてくるのは流石で、あとはCHUWI(ツーウェイ)というメーカーをどこまで信頼するかという感じですね。
一応日本国内でそれなりのラインナップで製品を投入している中国ブランドです。
PCはセットアップが終了していたりせず、プレーンなWindows 11が立ち上がるので安心でした。
これまで新品3万円のWindowsノートPCというと、ほとんど使い物にならないものが多かったですが、今回のGemiBook XProは違います。
この価格で事務用途には十分に使えてしまう性能を持ったPCが売られ始めるのは喜ばしいことですね。
ただし、US配列であることや説明書なども簡素で、本当に初心者の方に手放しにおすすめできるかというとちょっと不安です。
お近くにサポートしてくれる方がいるか、それなりの経験のある方がサブ機として利用するのにはマッチしますね。
GemiBook XProは在庫がなくなったりするパターンがあります。ちなみに、ドンキPC「MUGA 5」はGemibook XProの改良OEM版です。
「MUGA 5」はUSB₋CポートがPDと映像出力に対応しています。ただし、価格はドンキPCの方が10,000円程度高いのでコスパ的には何とも言えないです。
Gemibook XProは新型として15.6インチのGeniBook Plusが売られています。
サイズがXproと比べて画面サイズが一回り大きく、重量も約1.7kgになり入出力端子が増えているのが特徴ですが、やはりUSB-CでのPD充電は非対応の様子です。
中古で同じような価格帯で、同レベルの性能を発揮するLenovo ThinkPad X1 Carbonというような選択肢もあります。