iPadをPCライクに使うための設定方法【外付けBluetoothキーボードとマウス】
iPadをパソコンのように使うための設定をいろいろまとめてみました。
iPadの設定を変更してタブレットを超えて2in1 PCのような使い勝手に近づけて行くことを目指しておられる方の参考になると嬉しいです。
今回は、社外のBluetoothキーボードとマウスを使った場合の設定やカスタマイズを行いました。
iPadをPCライクに使うための設定
ブラウザはSafariを使う
iPadをPC的に使うのにブラウザを選ぶところがまず重要です。
私はこれまでいつでもGoogle Chromeを使い続けてきたのですが、やはりAppleとの相性は良くないようです。特にiPadでChromeを使うのは現状あまりおすすめできません。
理由は、設定項目が少ないこととタブの表示が使いにくいことです。左右に分割表示すると、タブが隠れてしまいます。ブックマークバーも常に表示することができません。
さらにiPadのChromeはアプリ版なので、PC版のように拡張機能も使えません。今後のiPadOSのアップデートで改善されることを願います。
それで、しょうがなくSafariを使うわけです。iPadの場合にはSafariは設定項目が多くあり、サイトごとの文字サイズの指定やタブも最適化されます。
Safariの設定
「設定」の「Safari」から「タブ」の設定を個別かコンパクトどちらかを選びます。個人的には個別に表示の方が見やすいです。
「ページの拡大/縮小」は11インチのiPad Proの場合には85%に設定するのがちょうど良く感じました。
あとはChromeに登録されているたくさんのブックマークをSafariにも登録する必要があります。
Chromeのブックマークバーに数十のサイトを入れていましたが、それをSafariの「お気に入り」にコピーします。
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GoogleChromeのブックマークをSafariのお気に入りにコピーできる |
試してみると、Chromeのブックマーク一覧をSafariのお気に入り一覧にドラッグ&ドロップで簡単にコピーできました。
これでよく使うサイトをSafariでも不自由なくすぐに使えるようになります。
マウスの設定
PCライクにiPadを使うなら、個人的にはマウスを使いたいのです。いつも使っているロジクールのM590をBluetoothで繋げています。ロジクールM590のレビュー記事もあります。
ただ、iPadで社外のマウスを使うと、明らかにWindowsPCなどとは異なる動きをしてくれるのが厄介なところです。
素直にAppleの純正マウスやトラックパッドを買うのが無難でしょう。しかし、私は自分の使い慣れた機器(ロジクールM590)を接続してiPadで使いたいのです。
それで、設定をいじってなんとかします。マウスの設定は以下のように変更しました。
とりあえずはマウスのカーソル速度を最大にして、ナチュラルなスクロールはOFFにすることでWindowsと同じ動きをしてもらいます。
次に「アクセシビリティ」のポインタコントロールをタップして、ポインタサイズは最小に設定。スクロール速さはお好みですが中間くらいが無難です。
さらにアクセシビリティから「タッチ」を選んでマウスで動作可能な範囲を広げます。
「アクセシビリティ」→「タッチ」を選び「AssistiveTouch」をONにします。
そしてマウス自体のボタンの動作を変えます。「AssistiveTouch」をタップして「デバイス」を選んで、ボタンをカスタマイズしていきます。
デバイスのボタン一つひとつを選択して機能を選べます。
ロジクールのM590では5つのボタンをそれぞれ役割を与えます。ボタン1と2は左クリックと右クリックで、ボタン3〜5はそれぞれのマウスごとで異なるボタンです。
選択肢の中にブラウザの戻る・進むがないのが謎ですね。
さらに「AssistiveTouch」の「最上位メニューをカスタマイズ」からアイコンを入れ替えていきます。
最上位メニューのアイコンを選択して好きな動作を選びます。私は上の6つを選んでいます。
これは、マウスのデバイス設定で「メニューを開く」を押すと出てくるアイコンです。
キーボードの設定
マウスも使うとなればもちろんキーボードも社外品、ロジクールのK380をBluetooth接続して利用します。ロジクールK380のレビュー記事もどうぞよろしく。
日本語(JIS)のキーボードの場合には、一般の「キーボード」の「ハードウェアキーボード」から「Keyboard Type」を選択。
そこでJIS(日本語)を選択するとしっかりJIS配列に対応します。(iPad OS16でようやく対応)
日本語⇄英語の切り替えがctrl +スペースで行えますが、設定で「caps lock」を変換に使うことも可能です。
「一般」の「キーボード」にある「Caps Lockで英字モードと切り替え」をONにします。自動修正は好みだと思います。私は勝手に変換されるのが嫌でOFFにしています。
キーボードは比較的素直に反応してくれる印象です。マウスがあまり相性が良くない分、キーボードショートカットを覚えると良いかもしれません。(アプリごとで違います)
ほとんどのショートカットがcommandキーを使いながらになり、commandキーを長押しするとショートカットのリストを表示できます。
Safariの「戻る」「進む」もキーボードでなら社外品でも可能です。Safariなどでよく使うショートカットは次に挙げてみました。
- 戻る:command + [
- 進む:command + ]
- 前のタブに移動:ctrl + shift + tab
- 次のタブに移動:ctrl + tab
- 新規タブを開く:command + T
- タブを閉じる:command + W
- スクリーンショットcommand + Shift + 4
- アプリ切り替え:command + Tab
- Split Viewの2画面を移動:command +`
ノートPCに近づけるならロジクールのCombo Touchがおすすめ
外付けキーボードやマウスとは異なりますが、iPadをノートPC化するならロジクール製のCombo Touchはかなり使いやすいです。
純正のキーボードカバーと同じように、Smart Connectorを使えるiPadに対応する製品を出してくれています。
特にトラックパッドがMacBook並みにジェスチャー等が良い具合に効くので、ほぼノートPC化できます。
タブレットカバー部分だけを取り外すこともでき、使い勝手の良さはApple純正のSmart Keyboardなどを上回ると思います。価格も2万円程度と許容範囲かなと思います。
Combo Touchと格安のBluetoothキーボードカバーとの比較もしてみました。
Magic Keyboardもいいとは思う
Apple純正のMagic Keyboardは機種は限られますが、PCライクに使うならCombo Touchを超える使い心地のようです。予算的に許せばの話ですが…。
私としてはiPad ProとMagic Keyboardを3〜4万円出して(合計10万以上)購入するならMacBook Airと無印iPadを買うか、ロジクールのCombo Touch(約2万円)をおすすめします。
それでもキーボード入力とトラックパッドに最高の品質を求める場合はMagic Keyboardも選択肢に入ると思います。
そもそもiPadはPC代わりになるのか?
iPadOSについて
iPadのOSはiPhoneのiOSとは異なり、iPad専用のiPadOSが搭載されるようになりました。
iPadOSの機能としては、マルチタスクやマウスの使用が可能になったり、ウィジット機能が豊富になったり他にも多くの改良が進められています。
このOSによって、外部キーボードとマウスをBluetoothなどで接続できるようになり、iPadがかなりPCに近づきました。
iPadを一番自然に使うならMagic Keyboardとトラックパッドを接続するのが間違いないです。これらを使うとジェスチャーもiPad純正そのままを利用できます。
今回は社外のBluetoothキーボードとマウスでの設定を煮詰めてみましたが、サブPCとして使う分には十分かなと思いますね。
MacやWindowsとの違い
iPadの操作感はMacに近いですが、若干の違いもあります。Macの場合はキーボードとトラックパッドの使用を前提とした作りとなっています。
iPadの場合はタッチ操作やApple Pencilでの作業にも対応したUIとなっていて、キーボードやトラックパッドでの操作はプラスαで「可能」というイメージです。
また、WindowsのPCと比較してみても、iPadはもともとタブレットであって仕事用の機器ではない、というのを感じることが多いです。
実際、Windowsでしか動かないプログラムがあったり、仕事上どうしてもWindows機が必要になるという場面はあっても、iPadが絶対必要ということは極めて少ないでしょう。
つまり、iPadをPCのように使えるようになったとしても、完璧に他のMacやWindowsが不要になるかと言われるとそうでない場合も多いです。
普段使うソフトウェアによって、iPadがPC的に使えるかどうかが変わってくるというイメージですね。
ライバルはChromebookか?
GoogleのOSであるChromeOSを搭載したChromeBookについてはどちらかと言えばPCよりに作られたタブレットにもなりうるOSです。
個人的にはiPadOSのライバルとなってくるのはChromeOSではないかと考えています。メインではないが、十分にサブ機としての仕事をこなしてくれるマシンです。
iPadはクリエイター向けで、直感的な操作が可能で動きが良いのが特徴です。また、基本スペックと共に、金額もChromeBookよりも高い場合が多いです。
ChromeBookはマシンスペックは低くてもGoogle Chromeを快適に動かし、Windows PCのような操作感を低価格で実現できるという特徴を持ちます。
実際に両方使ってみて思うこと
現在、iPad ProとLenovoのChromeBook ideaPad Duetを使って比較していますが、似ている部分と異なる点があり、どちらもサブ機としての利用では必要十分に感じます。
具体的にはiPadはApple Pencilの書き心地も良く、ペンを使った作業も行いやすいというのが大きな強みです。即座にメモ書きしたりPDFなどに注記を入れるのもとても簡単です。
ChromeBookにもペンを使える機種はありますが、iPad & ApplePencilには敵わないというのが現状です。
ただ、ChromeBookの場合はリーズナブルに基本的な事務作業やキーボード入力をこなせる使いやすさがあります。
個人的な結論として、キーボードを使うPC的な作業がメインならChromeBookが合います。逆にタブレットとしての利用がメインならiPadがピッタリです。
もちろん、Windows PCやMacBookを使うなら事務的な作業は完全に網羅できるのでそれで良いよね、というご意見をお持ちの方もおられるでしょう。
ただ、外出先や家の中でもさっとメールチェックをして返信したり、資料を閲覧して簡単に編集するといったことを行うのであればiPad+キーボードやChromeBookで十分なのです。
起動の速さや閲覧しやすさ、手軽に持ち運べる重量といった要素が良いバランスでまとまっているのがこれらの端末です。
おすすめの機種
コスパ重視なら無印iPadが最強
10.2インチで値段が手頃な無印iPadはコスパ的には最強でしょう。
OSはProやAirと同じため、ここまでで取り上げた設定もすべて同じように活用できます。
昔ながらのタッチIDとライトニングケーブルでの充電に不満がなければ無印iPadで十分な性能を持っています。
Apple Pencilも第1世代に対応していて、ペンでの入力に加えてBluetoothのマウスやキーボード、もちろん純正のSmart Keyboardも取り付けられます。
ペン入力は純正品でなくても十分な性能を持っている中華製品があるのでそちらもおすすめです。2〜3000円程度で手に入ります。
性能を求めるならiPad Pro
iPad Proを選択される場合には、無印iPadの約2倍の金額を出す価値があるかどうかを考える必要があるでしょう。
無印との違いはディスプレイがフルラミネーションで11か12.9インチから選べること、生体認証がフェイスID、カメラ性能が高い、Apple Pencilは第2世代が使えるetc...
といったところです。わたしも最近になって11インチのiPad Proの2018年モデルを中古で購入しました。確かにFace IDが使いやすく、画面サイズも程よいです。
でも、無印のiPadがコスパ最強と言いつつ型落ちのiPad Proを買ったのは、ただProに触ってみたかったからです。4万弱の最新無印iPadで性能も十分なのは間違いないでしょう。
最新のiPad Pro・Airの性能は過剰?
最新のiPad ProやAirはM1チップ(最新のMacBookに搭載のCPU)が載っていて、驚くべき処理性能を誇ります。動画や音楽の編集などあらゆるタスクをこなせるスペックです。
ただ、これらの性能を活かして使っていくという明確な目的がない場合、最低でも7万円以上するProを選択するのはそれほど得策とは言えないかもしれません。
10万円ちょっとでM1チップのMacBookが購入可能です。果たしてiPadにそこまでの性能を求めるか…と考えさせられます。
今後iPadOSの進化、特にM1チップ搭載モデルの外部ディスプレイ対応(ステージマネージャ機能の一部)によってさらにPC的になるようです。
まとめ
ここまでiPadをPCライクに使用するための設定方法などを書き留めてきました。
もちろん、Windows PCやMacのようなプログラムを動かしたり、重いソフトをインストールする必要がある場合にはiPadでは役不足になる感は否めません。
それでも、事務作業の多くを快適にこなすことができるiPad OSの存在によって、外付けのキーボードやマウスをうまく使いこなすこともできるようになっています。
2in1PCとしての一定の立場をiPadが築いてきたので、これからも作業用iPadの効率化を目指してカスタマイズしていこうと思っています。