【当サイトではアフィリエイト広告等を利用しています】

メーカー製PCから自作PCへの改造【Lenovo ThinkCentre E72 Small】

メーカー製PCを自作PCへ

メーカー製デスクトップのスリムケースだけを流用して、中身を最新のものに変える

今回はそのようなテーマでお送りします。非常にマニアックな内容となります、ご注意ください。

メーカー製デスクトップケース流用

前提

これまで「HP Prodesk 600 G1 SFF」を改造して自作PCにしようとして失敗したり…

HP Prodesk 600 G1 SFFで格安Windows 10マシンを作る【ケース交換は失敗】 - plz-reference-blog

HP Prodesk 600 G1 SFFで格安Windows 10マシンを作る【ケース交換は失敗】 - plz-reference-blog

Windows10であと3年間持てば良いという方のための低価格十分スペックなマシンを作ります。その後にグラボ搭載、ケースと電源交換に挑みましたが致命的な展開に…。

DELLのOpteiplexを弄ってケース交換には成功したものの、この後やっぱり元に戻したり…

メーカー製PC ケース交換リベンジ【Dell OptiPlex 5070 SFF→自作セリア木製ケース】 - plz-reference-blog

メーカー製PC ケース交換リベンジ【Dell OptiPlex 5070 SFF→自作セリア木製ケース】 - plz-reference-blog

Dell OptiPlex 5070 SFFのケース交換を行いました。前回の失敗を生かして今回はしっかり形になったと思います。ただ、おすすめはできないですね。

このような私の経験と調査からいくと、だいたい10年前くらいから各社ビジネス用デスクトップは改造を拒否する方向で守りを固めているわけです。

DELL Precision 3630を24時間運用PCにカスタマイズ【プロBTOビルダー作】 - plz-reference-blog

DELL Precision 3630を24時間運用PCにカスタマイズ【プロBTOビルダー作】 - plz-reference-blog

24時間運用するPCを安価で作るためにDELL Precision 3630を改造していきます。今回はプロBTOビルダーの先輩からの寄稿となっております。

BTO先輩の記事からもメーカー製PCのカスタマイズがいかに限定されているかを知りました。ただ、これらは比較的新しい機種での問題です。

設計の古い10年以上前のモデルを使って、内部に新しいシステムを導入することで、コスパの高い事務作業用自作PCが作れるのでは?

正直需要はあまり無いかもしれませんが、ビジネス用デスクトップとの戦いを2年ほど続けてようやく一つの形にできるような気がします。

古いスリムケースを使うメリット

  • スリムPCを安価で組める(かもしれない)
  • Windows 11対応でまあまあ高性能な構築にできる
  • 自作している感は十分に味わえる(初心者向けではない)

メリットと言える部分は安価に組める可能性があって、比較的自由な構成にできる点です。

※ちなみに既製品のスリムケースは価格が微妙だったり種類が少ないです。自作PCに求められるのは多くの場合多少大きくてもハイスペックですからね。

では、今回のプランを実行するにあたっての注意点や問題点も考えます。

注意点・問題点

実際には古いビジネスPCでも独自規格が多かったり、ケースだけ流用するだけでも多くの注意点があります。

  • 中古で安く状態の良いものを探すのが大変
  • 電源のピンが独自のパターンの可能性がある
  • 中古の電源は古いので注意が必要
  • フロントパネルのピンアサインが厄介
  • microATXのマザーボードが入らない可能性
  • バックパネルが取り外せない可能性
  • CPUクーラーやグラボの制約が出る

メリットに比べて注意点やデメリットが圧倒的に多いです。総じてこのようなカスタム自体が稀なので情報が少ないのも難点です。

デザインさえ嫌でなければ、Amazonにて「ケース+SFX電源」というモデルが7,000円くらいで出ています。

手間をかける意味を感じず新品でスリムケースにしたい場合はそちらが無難ですね。

今回選んだ「ThinkCentre Edge 72 Small」

Lenovo ThinkCentre E72 Small

Lenovo ThinkCentre Edge 72 Small 3493FNJ

ThinkCentre E72 Sとして中古市場に流れています。デザインもなかなか良いのでこれを某フリマアプリで4,000円以内でゲットしました。

中身は使わない(電源以外)のでジャンクのものをあえて選んで購入。SFF(スモールフォームファクター)という良く事務作仕事で使われるサイズです。

他にもNEC Mateも同世代(Intel 第二世代~第三世代くらい)の筐体は使えます。(デザインは微妙?)

ThinkCentre「E72」までは電源(TFXサイズ)が流用可能なのがポイントで、通常のATXメイン24ピンとCPU用4ピンが使われています。

ThinkCentre E72の内部

また、マザーボード形状も普通のMicro ATXが入るのも重要です。機種によっては取付穴が全然合わないものもあります。

ちなみに、次期モデルの「E73」ではマザーボードは入れ替えられても、電源が使えなくなります。(特殊タイプ)

これ以降の製品はおそらくすべて、電源またはマザーボードの変更ができなくなります。

他メーカーでも電源の仕様が独自になっていくのは第4世代Intelあたりからが多い印象です。

中身入れ替え時の問題点・トラブル

破損したファンカバー

マザーボード取り外しの際に邪魔だったCPUファンカバーは劣化していて粉砕してしまいました。まあ、使わないので些細なトラブルです。

付属のマザーボードを取り外した

マザーボードを取り外すと、しっかりMicro ATXの一般的な場所にスペーサーが入っていました。

さらにThinkCentre E72までは電源が流用可能で、通常の24ピンとCPU用4ピンが使われており、外せなそうなバックパネルも問題なく交換できました。

バックパネルは無事交換できた

ただ、しっかり厄介な点は残っていました。

中古の電源が古い

付属の電源

一応付属していた電源は問題なく動作し、マザーボードのメイン24ピンとCPU4ピンが使えました。

ただ、製造が2013となっていて非常に古いので、別のものに取り替えた方が無難かな、とも感じています。

一応Amazonでも安めのTFX電源は売られています。(他社の電源の流用になります)


250W電源ユニット Dell Vostro 200 220S 230S 260S SFF 交換用電源ユニット
(Amazon)

社外のTFX電源で重要なのは、メイン24ピンとCPU用4ピンがあり、各ケーブル長が十分であることです。

これらの基準を満たして、かつ安い製品は少ないです。(Dell Vostroの初期の電源はしっかり条件に合っていて実際に使っています)

また、電源容量は200~300W程度のことが多く、基本的にCore i3やi5あたりでTDPが抑え気味なものを載せるのが無難です。

4ピンのCPU電源コネクタでも、8ピン以上あるマザーボードに問題なく刺さります。(当然最高クラスのCPUには対応できない)

フロントパネルのピンアサインが異なる

電源とUSBのピンアサイン

PowerスイッチとLEDの配線は雰囲気でわかりましたが、USBとオーディオの端子が結構異なります。

USB2.0については左の黒線2本は端子に挿す必要が無く、右端に合わせて挿せば問題なく動作しました。

オーディオ端子は混沌としていて、すべての端子を入れ替える必要がありました。英語のフォーラムでピンアサイン解読をしてくれています。

(海外のフォーラム)https://forums.lenovo.com/t5/A-M-and-Edge-Series-ThinkCentre/ThinkCentre-A60-front-panels-power-audio-and-USB-pinout/td-p/190651

オーディオのピンアサイン

オーディオ出力はこの投稿をヒントに14ピン→10ピンへ自力での変換を行いました。

結果として、フロントパネルはほぼ全て配線をし直す必要がありました。1ピンのジャンパー線で対応しました。

その他

スリムケースなため、CPUファン高さは90mm以内である必要があります。また、使用するマザーボードのサイズ(フルサイズのMicro ATXなど)では配線にかなり気を使います。

なんとか完成

中身を入れ替えた状態

入れ替えた構成

CPU 第8世代Intel(ぎりぎりWindows 11対応のため)・H310マザーボード・DDR4 2400 8GB・SSD 256GB・OS Windows 11 Home

もともとのThinkCentre E72は第3世代Intelなので、5世代分のジャンプアップです。もちろん予算次第で最新世代Intel or Ryzenでも載せられます。

結論

メーカー製PCを自作PCへ

トータル費用

CPU、マザーボード、メモリ、SSDで2〜3万円程度で揃います。ケースと電源で4,000円程度だったため合計でも4万円かからずにスリムPCを組めました。

→果たして安いのか?

3万円程度でメーカーのリース落ちPCが流れている可能性もあります。第8世代Intel搭載のDellやNECのスリムPCは相当安くなってきてます。

つまりはコスト的にも手間的にもメリットは少ないのです。

…じゃあ何のために?

ここに見える意味を求めてはいけないのかもしれません。ただ楽しい、失敗するかもしれないけどやってみたい。

中古やジャンクで集めたパーツからWindows 11対応の事務用PCを組んで自作する楽しさに価値を感じる方は、ぜひ試してみてください!

※普通にスリムケースだけを新品で手に入れるなら、7,000円前後で出ています。

格安で、作業用のWindows 11対応PCが欲しい場合は次の記事も参考にされてください。

格安デスクトップPCの選び方【Windows 11対応】 - plz-reference-blog

格安デスクトップPCの選び方【Windows 11対応】 - plz-reference-blog

Windows 11対応で格安のデスクトップPCを選ぶための方法といくつかの注意点をまとめてみました。実際に選ぶ方法や用途別での最もコスパの高いモデルの紹介もします。

Next Post Previous Post
No Comment
Comment
comment url