100均【セリア】木製ケース デスクトップPC 2号機の作成
100円均一のセリアでほとんどの部品を仕入れて木製PCケースの2号機「コンパクトサイズVer」を製作しました。
過去作である初号機は下のように大きめサイズで、全体的に不安定感が残る仕上がりになっていたのを改善したく、一回り小さくて堅牢な作りを目指しました。
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セリア木製PC 初号機 |
初号機はMicro ATXマザーボードとATX電源を上下に並べて、長さ方向にも余裕のある大きめなサイズで横幅22.5×長さ45cm×高さ34cmくらいの設計でした。
初号機の制作過程は過去記事に残してあります。
完全オリジナル木製100均【セリア】PCケースの詳細 - plz-reference-blog
自作PCにて、完全オリジナルの100均(セリア)木製PCを作成した経緯とそのメリットやデメリットなどをまとめてみました。
今回は30×30のMDFボードを基盤側に用いる設計としました。サイズを一回り小さくし、高さ30×長さ30×幅15(cm)くらいにします。
高さ的に、Micro ATXマザーボードとSFX電源が搭載できるサイズです。もっとコンパクトにしても良いかもですが、今回は作りやすさ重視で設計します。
最終的にはグラボとケースファンの搭載を行ってアップデートを狙います。
セリア木製PC2号機の製作
マザーボード固定部分
セリアの「30×30×0.8(cm) MDFボード」をメインに使っていきます。これを3つと15×45cmの桐材、あとはL字金具を複数個で形にできます。
厚さ0.8cm(8mm)とちょっと厚みがあるボードなので強度も期待できます。前回は45×30×0.6(cm)と薄めのボードを利用していました。
使用するマザーボードはMicro ATXサイズのもの。IOポート部分を左側に寄せて、上部に3mmほどの余裕を持たせて金具を取り付けていきます。
グラボ搭載、リアポートの利用をしやすくするためにこの位置としました。
マザーボードによって若干取り付け位置が異なっていたりもするので、必要な個所に金具を取り付けます。
MDF板にピッチの細かいビスをねじ込むのは結構難しいです。下穴を細目に空けてからねじ込みます。
固定が甘い場合はアロンアルファを流し入れてがっちり固めます。
ケースの天板と底板の作成
ケース上下の板も同じ30×30のMDF板を真っ二つに切ったものを利用します。
今回はどのご家庭にも1台はあるであろう、スライド式カッターで切りました。(知り合いに頼んで切ってもらいました)
これで真っ二つにします。
そして19mmの木工用のドリルとインパクトドライバー。スイッチ用の穴ですね。
そして完成。
これを自力でやると結構疲れる(前回はカッターナイフで地道に切断して穴はハサミで広げた)ので今回はズルしちゃいましたすみません。
ケースの固定には同じくセリアに売っているL字金具を大量使用。どう付けていくかに正解はなさそうな気はします。
いきなり色も変わっていますが、マザーボード側と上下の板をL字金具で固定します。色は好みですが、ダイソーの艶消し黒を3本使ってMDF板すべてを塗装しました。
前面パネル
前面には幅15×長さ45cmの桐材をカットして使用。長さを30cmとします。
この焼き目つき木板(桐材)が良い味を出してくれるので好きです。
これを前面に取り付けます。
L字金具は大サイズを8個以上(3セット~)、小サイズを7個以上(2セット~)使っています。
しっかり角が90度かどうかをチェックしながら組んでいくのが大変です。セリアの2mのメジャーを使いながら各部の長さを測りつつ組みました。
組み立て
マザーボードを固定します。ギリギリ左上に取り付けるようになります。
このマザーボード(H310M PRO-VH PLUS)は通常のMicro ATX(244×244 cm)より一回り小さいサイズ(226×185 cm)です。
スイッチの取り付けが難しいところで、前回利用したモーメンタリスイッチを流用しました。
Ulincosモーメンタリ方式スイッチを自作PCに取り付ける【配線と取付け】 - plz-reference-blog
自作したオリジナルPCケースの電源スイッチを取付けました。Ulincosのモーメンタリ方式スイッチを購入し、配線の仕方と取付けまでを解説しています。
あとはグラボと電源、SSDを取り付けていきます。ここからの取り付け方はあまり参考にならないかもしれません。
グラボ(MSI GTX1060 AERO 6GB)の取付用の金属ステーを100均では見つけらず。30×1.5×0.2(cm)穴径7mmの金具(エーモン工業製)を調達して固定。
このストレート金具をセリアのL字金具を多用して上下をMDF板と固定し、電源とも接続。所々にM3のビスとボルトも利用しています。
電源の固定は工夫が必要 |
今回はDELL L250PS-00というビジネスPC用の250W電源を利用しました。高さ方向はSFX電源(高さ50~65mm)と同じくらいです。
CPUはCeleron G4930TでTDPは35Wです。グラボを含めるとシステムの合計消費電力は180Wくらいとなり、ちょっと心許ないですね。
高さ的にぎりぎりMicro ATXマザーボードとSFX電源を乗せるのが順当です。デメリットはSFX電源は容量のわりに価格が高めな点。
価格を抑えるためにATX電源を積むには横置きにするなどして、スペースを確保する必要が生じます。
試しに通常のATXサイズ電源を収めようとすると、縦置きにしてギリギリ入るといった感じでした。
拡張カード用のPCIeスロットは隠れてしまうので、結構無理やりな置き方ですね。できればSFXかTFX電源の利用がスマートですね。
TFXサイズの電源も汎用品としてSilver Stoneさんあたりが出してくれています。
グラボ搭載には工夫が必要
今回、通常サイズのグラフィックボードを搭載しました。横幅的にはぎりぎりMSI GTX1060 AEROが積めました。
サイズ的に横幅が取付金具よりも2cm以上幅広い場合は取付できません。この場合は設計変更が求められます。
そもそもこの木製ケースでは、大容量の電源と高性能GPUは相性が良くないので、補助電源のない、小型(ロープロファイルなど)グラボを積むのが現実的ですね。
今回の電源に補助電源用の端子がなかったため、SATA×2から変換ケーブルを用いて6ピンの補助電源(最大75W)を取っています。
GTX1060は消費電力が120Wで、補助電源は6ピンで良いためこの方法でも十分な電力を得られます。
参考:マザーボードからの給電は最大75Wで、それ以下なら補助電源は不要です。SATA電源は1つで最大60W出力で補助電源6ピンの75W出力に耐えられません。2本の変換なら60×2=120Wで余裕があります。しかし、補助電源8ピンの場合は最大150Wとなり2本の変換でも不足します。
取り外しできるサイドパネルの作成
サイドパネルも30×30(cm)のMDF板を使うことで、3枚同じ板を使ってカバー可能です。
今回は左側面を半透明のボードを使って内部をちょっと見えるように設計してみました。
やはりセリアの半透明、スモーク掛かったプラ板を利用。厚さは1mm程度しかなくてペラペラです。
45×30×0.6cmのMDFボードをカットして30×30の外枠にします。固定は小さいヒンジを縦にして流用。
個人的にはデザインはちょっと改良したいところです。そしてセリアのスモーク板は中がほとんど見えなくなりますね。
スモークが結構強いので中はほとんど見えません。透明度の高いアクリル板はホームセンターで見つけないといけないですね。
サイドパネル取り付けにはダイソーの「13mm強力マグネット」を四隅に使用しました。マグネットは本体側に取り付け、サイドパネル側の木ねじの位置と深さで微調整しています。
グラボの取付が暫定的にタイラップ固定で、同じく9cmリアファンも30cmの金具にタイラップ留めしてあります。
試しに取り付けてみた12cmのARGBファン2基を稼働させてみましたが、ちょっと微妙で改善の余地が大いにありそうです。
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高さ150mmのCPUクーラーはもちろんケースから飛び出し、DVDマルチドライブも本体外側に配置。
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その勢いでリアファンも外側でマウント。実はMicro ATXマザーボードからATXマザーボードへと変更してたりもしています。
完成したケースとまとめ
100均セリアPC2号機は結構いい出来で、前回の作品よりも強度アップと大幅な小型化、そして作業工数の削減を達成しました。
ケース作成にかかった費用は、木材・外装が550円、金具・ビス・ステー類が約2,000円、スイッチ類が約1,500円、塗料が330円。合計約4,500円!
この他に工具類も必要になったりします。金額的には普通にそれなりのPCケースが買えてしまうんです。
また、MDF板の加工が結構大変で、特にスイッチ用の穴あけ作業は専用工具が無いと根気のいる労働となり、ケースの精度を出すのも難しいです。
とはいえ、自作したPCケースはかかった金額をしばらく忘れさせるほどに達成感があります。
最後までお読みいただきありがとうございました。この後、以前失敗したメーカーPCの中身を移植する改造を行いました。

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